『僕のヒーローアカデミア』第165話「こじ開けろ！緑谷出久!!」では、死柄木の深層心理に踏み込む衝撃の展開が描かれました。
特に注目すべきは、ワン・フォー・オールの継承者である志村奈々が“はじかれた”という不可解な現象です。
この記事では、「志村奈々がはじかれた理由」を軸に、死柄木弔の内面世界やその背景に迫ります。
- 志村奈々が死柄木の精神世界で「はじかれた」理由とその心理的背景
- 死柄木弔の幼少期に刻まれたトラウマと人格形成の過程
- ワン・フォー・オールの譲渡がなぜ失敗したのか、その条件と意志の関係
- ステインの登場が意味する、デクへの「ヒーロー像」の問い直し
- デクが見つめ直す“救い”と“戦い”の間にある選択の重さ
📺 基本情報
- 作品タイトル：僕のヒーローアカデミア
- 放送日：2025年11月8日（土）夕方5：30（第165話）
- 放送局・配信：読売テレビ・日本テレビ系、全国29局ネット、ABEMA、U-NEXT、DMMTVなど
- キャスト：爆豪勝己：岡本信彦/緑谷出久（山下大輝）/死柄木弔（内山昴輝）/死柄木与一（保志総一郎）/駆藤敏次（小野大輔）/ブルース・リー（鈴木崚汰）/万縄大五郎（安元洋貴）/揺蕩井煙（柿原徹也）/志村菜奈（園崎未恵）/スターアンドストライプ（朴璐美）/オールマイト：三宅健太/エッジショット（鎌苅健太）
- STAFF：原作：堀越耕平 (集英社 ジャンプ コミックス刊)/総監督：長崎健司/監督：中山奈緒美/シリーズ構成：黒田洋介 (スタジオオルフェ)/キャラクターデザイン：馬越嘉彦・小田嶋瞳/美術監督：池田繁美・丸山由紀子 (アトリエムサ)/色彩設計：菊地和子 (Wish)/撮影監督：澤 貴史/3DCG監督：安東容太/編集：坂本久美子/音響監督：三間雅文/音楽：林 ゆうき/プロダクション・スーパーバイズ：ボンズ/アニメーション制作：ボンズフィルム/製作：僕のヒーローアカデミア製作委員会
📖 第165話「こじ開けろ！緑谷出久!!」あらすじ
「ワン・フォー・オールを死柄木に譲渡＝精神の傷に直接ぶつける」という、イチかバチかの攻撃を仕掛けるデク。ヒーローとは思えぬ鬼気迫る姿から繰り出す拳は死柄木に届くのか――!?
※本記事のあらすじは『僕のヒーローアカデミア』公式サイトより引用しています。
出典：『僕のヒーローアカデミア』公式サイト
志村奈々が“はじかれた”理由とは？
第165話では、デクが死柄木の精神世界に入り込む中で、他の継承者たちとともに志村奈々も登場します。
しかし彼女だけが“はじかれた”という衝撃の展開に、多くのファンが驚かされました。
この章では、なぜ志村だけが拒絶されたのか、その深層心理をひもといていきます。
死柄木の“核”が志村奈々を拒絶した理由
デクと歴代継承者が死柄木の精神世界へ干渉した際、志村奈々だけが排除されたという異常な現象が起こりました。
これは偶然ではなく、死柄木の「核」＝最深部の精神領域が、無意識に志村奈々を拒絶していたことを意味しています。
この拒絶は、防衛反応であり、彼自身が記憶したくない感情や関係性から距離を取ろうとする“心理的なバリア”の発動でした。
「おばあちゃん」という存在への強い否定感情
志村奈々は、死柄木にとって実の祖母にあたる存在です。
しかし彼にとって「おばあちゃん」は、自分を捨てた大人という否定的な記憶と強く結びついています。
ヒーローになるために家庭を犠牲にした人物という側面が、死柄木の中で「家族＝裏切り」という図式を作り上げたのです。
その結果、彼の中では志村奈々を受け入れること＝過去の自分を肯定することになってしまい、それができない精神状態が拒絶を引き起こしました。
継承者同士でも干渉できない“心の壁”
ワン・フォー・オールの継承者同士は、通常、精神世界での干渉が可能です。
しかし今回は、志村奈々だけが死柄木の核に入れず、弾かれるという明確な違いが描かれました。
この出来事は、血縁ゆえの深すぎる感情の蓄積が、逆に“心の壁”を生み出していたことを示唆しています。
志村奈々の存在が、死柄木にとって心の傷の発端であり、最も触れたくない存在であるがゆえ、他の継承者にはない排除反応が起こったと考えられます。
死柄木の深層心理と幼少期の記憶
死柄木弔の精神世界に足を踏み入れたデクは、彼の原点に触れていきます。
そこにあるのは、幼いころに受けた深い傷と、家族にまつわる重たい記憶でした。
この章では、死柄木の内面を形づくる“核心”について深く掘り下げます。
志村奈々の家が象徴する“原点”と恐怖
第165話でデクがたどり着いた場所は、死柄木の精神世界における「家」、つまり志村奈々の家の再現でした。
これは単なる思い出ではなく、死柄木弔という存在を形成する“原点”として位置付けられています。
そこはかつて家族と暮らした場所でありながら、最も深く傷つき、壊れた瞬間の記憶が眠る場所でもあるのです。
デクはこの場所を「最も繊細で柔らかい所」と表現されながら案内されます。
これは志村奈々自身の言葉であり、死柄木の“心の核”がこの場所に結晶化していることを意味します。
つまり、外からの攻撃にも内からの干渉にも、死柄木の最ももろい部分が現れた瞬間だったのです。
志村の家という象徴は、「安全な場所」であるはずが、彼にとっては破滅のきっかけとなった“家族の崩壊”の舞台でもあります。
その矛盾した意味合いが、精神世界での志村奈々への拒絶という象徴的な描写につながったと考えられます。
父親の暴力と支配が形作った心の地層
死柄木弔の人格形成において、最も強く影響を与えたのは父親の存在です。
第165話では、彼がまだ「志村転弧」と呼ばれていた幼少期の記憶がフラッシュバックとして描かれます。
父親から厳しい制約と暴力を受けていたことが、彼の精神を徐々に追い込んでいったのです。
特に注目すべきは、父親が「ヒーロー」という存在を完全に否定していた点です。
彼は、自分の母親である志村奈々を「家族を捨てたヒーロー」として憎んでおり、その怒りを転弧に投影していました。
結果として、幼い死柄木は“ヒーロー”という概念そのものを拒絶するようになってしまったのです。
これは単なる家庭内の問題にとどまらず、死柄木の価値観の根底を支える“信念”に直結しています。
彼が後にヴィラン連合のリーダーとして、「社会構造そのものを壊す」思想に至ったのは、家庭という最小単位の支配と否定から逃れたいという深層心理の反映でもあると考えられます。
デクが触れた「最も繊細で柔らかい所」
死柄木の精神世界の奥深くに入り込んだデクは、志村奈々の導きによって“彼の心の核心”にたどり着きます。
志村が表現した「ここはしがらきの核、いわばおうち…最も繊細で柔らかい所」という言葉は、死柄木の記憶の中でも最も触れられたくない部分を象徴しています。
それは物理的な力では壊せない、感情とトラウマで形成された“心の結界”とも言える場所です。
デクがそこで見たのは、交通事故のような衝撃的な演出の中で車に轢かれそうになる自分、そして彼を助けに入る志村の姿でした。
このシーンは、死柄木の心が無意識に“助け”を拒みつつも、本当は誰かに救われたいという矛盾した感情を表しています。
それに対してデクは、「まだそばにいてくれて嬉しい」と告げ、敵であってもその内側に寄り添おうとする姿勢を示しました。
ここで描かれるのは、ヒーローとは“守る者”であるだけでなく、“理解しようとする者”でもあるという新たな視点です。
死柄木の精神の最深部に直接触れたデクの行動は、単なる戦いではなく、救済の一歩としても描かれているのです。
ステインの登場と“ヒーロー像”の問い直し
デクの前に突如として現れたステイン──その存在は、敵以上に象徴的な意味を持っていました。
彼が投げかけた問いは、デクだけでなく、視聴者の心にも刺さるものです。
この章では、ステインが現れた意図と、その言葉がデクにもたらした衝撃について考察します。
なぜ今、ステインが現れたのか？
第165話の終盤、死柄木の精神世界に突如として登場したのが、“ヒーロー殺し”ステインでした。
ステインは実体としてではなく、象徴的な存在＝デクの精神が生んだ問いかけの化身として描かれていると考えられます。
この登場は、戦闘やワン・フォー・オールの継承とは一見無関係に見えますが、実は「ヒーローとは何か？」という根本的な命題を再提示するための演出です。
かつてステインは、偽善的なヒーローたちを粛清するという極端な信念を持っていました。
そしてその思想は、デクに対しても影響を与えていたことが暗に描かれていました。
今このタイミングでステインが現れたのは、デク自身の「ヒーロー像」が揺らぎつつあることの表れとも言えるのです。
また、死柄木との対話を通じて“救おうとする”デクの姿は、従来の戦い方とは異なるアプローチであり、正義と悪の境界線が曖昧になる瞬間でもあります。
その境界を乗り越えようとする時、かつて「真のヒーローとは何か？」を語ったステインの言葉が再び重みを持って現れる──それが、今この場面での彼の登場理由なのです。
「君は何を作るのか？」という問いの意味
ステインがデクに投げかけた言葉、「君は何を作るのか？」──。
この問いは、単に戦いの行方を問うものではなく、デクが“どんな未来を創ろうとしているのか”という本質的な問題を突いています。
目の前の死柄木を倒すのか、それとも救うのか──その二択の間にある“答えなき葛藤”にデクは直面しているのです。
ヒーローとして活動してきたデクは、これまで一貫して「人を救いたい」という気持ちを原動力にしてきました。
しかし、それが敵である死柄木にまで向けられたとき、彼の“ヒーロー像”そのものが揺らぎ始めるのです。
だからこそ、ステインの「君は何を作るのか？」という質問は、今のデクにしか問えない、本質的な自己定義の確認でもあります。
このセリフは、戦うだけのヒーローではなく、世界の在り方を“作り変える”存在としてのヒーローを問うているようにも見えます。
デクがこの問いに対して「何もない」と答えたのは、彼自身がまだ模索の途中であることを示しており、その未完成な姿こそが、物語のリアリティを高めている要素です。
デクの無意識に突き刺さる“理想のヒーロー像”
ステインの登場と、「君は何を作るのか？」という問いは、デクにとって“自分が信じてきたヒーロー像”を見つめ直す契機となりました。
彼の無意識には、オールマイトのように、常に他者を守り続ける理想化されたヒーロー像が刻み込まれています。
しかし現実には、敵の感情に触れ、救いたいと思っても、どうすれば救えるのかという“計画”が存在しない──そのギャップがデクを迷わせているのです。
「理想」と「現実」の狭間で揺れる彼にとって、ステインは鋭利な刃のような存在です。
かつて敵でありながら、ヒーローの本質を誰よりも真剣に語った人物──その言葉が、今、デクの信念を試しているのです。
ステインの問いは、敵としての挑発ではなく、“本物のヒーローなら、世界を変える覚悟があるのか？”という精神的圧力を与えています。
デクはこれに明確な答えを返せませんでした。
しかしその迷いもまた、彼が“正しさ”を一方的に押しつける存在ではなく、理解しようとするヒーローであることの証明なのです。
未完成なヒーロー像、悩みながらも人の心に触れようとする姿こそが、このエピソード最大のテーマであり、ヒーローアカデミアの進化の象徴だといえるでしょう。
ワン・フォー・オール継承の失敗の意味
デクは死柄木の精神に干渉しようとする中で、ワン・フォー・オールの譲渡を試みました。
しかしその試みは失敗に終わり、大きな謎と疑問を残しました。
この章では、譲渡が成立しなかった理由と、そこに込められた意味を読み解いていきます。
譲渡には“受け入れ”が不可欠
第165話でデクが試みたのは、ワン・フォー・オールを死柄木に「譲渡」するという、極めて危険な賭けでした。
これは物理的な攻撃ではなく、精神の奥深くにまで届く“本質的な干渉”を目的とした戦略でした。
しかし結果として譲渡は失敗に終わり、デクの指先から死柄木へ個性が渡ることはありませんでした。
この失敗の根本的な理由は、「ワン・フォー・オール」という力の性質にあります。
この力は、譲渡される側が“自ら受け入れる意志”を持たなければ継承されないというルールに基づいています。
たとえ物理的な接触やDNAの摂取があったとしても、精神的な“同意”がなければ力は動かないのです。
つまり、死柄木が無意識にでもワン・フォー・オールを拒否していた時点で、譲渡は成立しない運命にあったということになります。
これは、強さや力の伝達が物理的条件だけで成り立たないという、この作品における「意志の重さ」を象徴する場面でもあります。
死柄木の拒絶が示す“支配されない意志”
デクによるワン・フォー・オールの譲渡が失敗に終わった背景には、死柄木弔の中にある「拒絶」の意志が強く存在していました。
この拒絶は単なる抵抗ではなく、他者から干渉されること、コントロールされることに対する本能的な拒みでした。
死柄木はこれまで、オール・フォー・ワンに育てられ、利用され、人格を侵されるような経験を繰り返してきました。
そうした経験が積み重なった結果、彼の中には「自分の意志以外は絶対に受け入れない」という、極めて強固な精神的なバリアが形成されていたのです。
たとえそれが救いの手であったとしても、彼にとっては“支配の延長”にしか見えなかった可能性があります。
この拒絶反応こそが、死柄木というキャラクターの根源的な独立性を象徴しています。
彼はヴィランである以前に、「誰のものにもなりたくない」と叫ぶ“ひとりの少年”だったのです。
その叫びが、今回の譲渡失敗という形で現れたのだとすれば、それは敗北ではなく、彼の意志の存在証明とも言えるでしょう。
継承者全員での干渉が通じない理由
第165話では、ワン・フォー・オールの歴代継承者たちが揃って死柄木の精神世界へ干渉を試みました。
しかし、その中で唯一、志村奈々だけが弾かれたという描写は、印象的で象徴的な場面です。
それに加えて、全体として継承者たちの存在そのものが死柄木に十分な影響を及ぼせていないように見えるのも注目点です。
その理由は、死柄木の精神世界が「極めて閉ざされた構造」を持っていることにあります。
幼少期から受けた拒絶・支配・孤独といったネガティブな体験が積層し、他者を受け入れない深層心理が形成されています。
これはまるで、外からの干渉をはねつける“心の装甲”とも呼べるものです。
さらに、ワン・フォー・オールという個性自体が“繋ぐ力”である一方、死柄木自身が「繋がり」を否定している存在であることも要因のひとつです。
力の本質と人格の本質が正反対である以上、双方の精神はすれ違い、決して融合することはないと考えられます。
その結果、継承者たちの力を結集しても、死柄木の核へ本質的に干渉することはできなかったのです。
この事実が、ワン・フォー・オールの限界と同時に、“人を救う”という行為の難しさを物語っているとも言えるでしょう。
🌸 らけるまのひとこと感想
アニメ・漫画が大好きな考察女子🎀
今回はやっぱり志村奈々さんがはじかれたシーンが特に印象的でした…！
「家族なのに拒絶される」って、ヒーローアニメなのにすっごく人間ドラマとして刺さる展開で、思わず胸がギュッと締めつけられちゃいました💔
そして、ステインが登場してデクに問いかけた「君は何を作るのか？」もグサッときた…！
ただ戦うだけじゃなくて、ヒーローとして“どう生きるか”を問われるデクの姿に、思わず涙が…😢
心にズンッと響くシーンが多くて、今回も最高に濃い一話でした✨
次回「相澤くんから」は、きっと先生たちの動きがカギになってくるはず！
早く見たい〜〜〜〜！！💓
ヒロアカ165話 志村奈々がはじかれた理由と死柄木の核心をまとめて解説
『僕のヒーローアカデミア』第165話では、デクと死柄木の精神世界での対話を通じて、死柄木という存在の「本質」に触れるストーリーが描かれました。
特に印象的だったのは、志村奈々が精神空間から“はじかれた”という象徴的な描写です。
それは、家族に裏切られたという強烈なトラウマを抱える死柄木が、無意識のうちに志村奈々を「拒絶」していたことの現れでした。
同時に、ワン・フォー・オールを譲渡するというデクの賭けは失敗に終わりました。
それは死柄木の中にある「誰のものにもならない」という明確な意志が、あらゆる干渉や支配を退けているからです。
この強烈な拒絶反応は、オール・フォー・ワンにすら完全に染まらなかった、死柄木の“自我の核”の強さを物語っています。
また、精神世界で現れたステインの問いかけ、「君は何を作るのか？」は、デク自身のヒーローとしての在り方を根本から問い直す鋭い一撃でした。
デクはその問いに「まだ何もない」と答えますが、その迷いこそが彼の誠実さであり、“救い”を本気で考えている証でもあります。
今回のエピソードは、戦闘以上に精神的な攻防が焦点となった一話でした。
志村奈々、ステイン、死柄木、そしてデク――それぞれの立場から浮かび上がる“理想と現実のギャップ”が、ヒーローという存在をより複雑かつリアルなものとして描いています。
第165話は、物語の転換点であり、死柄木とデクの「救いと拒絶」のドラマが今後どのように交錯していくのか、大きな期待を抱かせるエピソードとなりました。
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- 165話は戦いを超えた“心の対話”が描かれる、シリーズの重要回である
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