『Lazarus』スキナーは悪魔に魂を売ったのか？アベルとハーシュの対話が導く答えとは

アニメ『Lazarus（ラザロ）』第7話では、物語の核心を突く静かな対話が描かれました。
アベルとハーシュ――共に過去を共有し、今なおスキナーという存在を追い続ける二人。
その会話の中で、アベルはふと問いかけます。

「スキナーは、悪魔に魂を売ってしまったように見えるか？」

この言葉は、スキナーの“変化”に対する疑念と恐れ、そしてかつての仲間としての未練を映し出すものです。
一方、ハーシュはその問いに揺らがずこう返します。

「彼は何も変わっていない。純粋すぎるほど純粋だった。」

本記事では、この印象的な対話を中心に、スキナーの人物像、アベルの葛藤、そしてハーシュの信頼という三重の関係性から、『Lazarus』という作品の深層を読み解いていきます。

アベルの問い「スキナーは悪魔に魂を売ったのか？」の意味とは

アベルの口から出た「悪魔に魂を売った」という表現は、直接的でありながら、極めて比喩的です。
それは単なる裏切りではなく、倫理や人間性を失った者に向けられる問い。

スキナーが行おうとしている“人類進化”を名目とした実験・計画は、確かに狂気にも見えます。
しかしアベルは、完全に断罪しているわけではありません。この問いかけ自体が、彼がまだスキナーを信じたいという揺れる気持ちの表れでもあります。

かつての同胞が変貌したのか、それとも最初からその芽を持っていたのか――。
アベルの問いは、視聴者にも突きつけられるものなのです。

ハーシュの視点から見るスキナーの“純粋さ”

ハーシュは、アベルの疑問に対し明確に否定します。

「彼は何も変わってない。ずっと前から純粋すぎるほど純粋だった。」

この“純粋さ”こそが、スキナーというキャラクターの核心。
彼は世界の不完全さに抗い、理想を追い続ける科学者としての信念を貫いてきました。

社会に適応できないほど純粋なスキナーは、その理想の果てに行動をエスカレートさせていっただけ。
彼にとって「科学者が純粋でいて何がいけないんだい？」というセリフは、信念と孤独の叫びでもあるのです。

ハーシュはそんなスキナーを見捨てられず、今なお彼を追い、理解しようとしています。
そこには友情だけではなく、彼女なりの信頼と希望が込められているのです。

「ラザロの復活」に込められたスキナーの意志

「ラザロの復活」とは、聖書における“死者の蘇生”の象徴。
つまり『Lazarus』というタイトルそのものが、死からの再生、あるいは人類の進化の暗喩を担っています。

スキナーが実行しようとしている計画は、単なるテロではなく、新しい世界を創ろうとする挑戦。
しかしその手段は、倫理を大きく逸脱しており、他者からは狂気とみなされる。

「彼は、きっと見つけてほしいと思ってる。」

ハーシュのこの言葉は、スキナーが完全に闇に堕ちたのではなく、誰かに理解され、止められることを望んでいる可能性を示しています。
ラザロの復活は、スキナーにとっての“救済”であり、彼自身がそれを求めているのかもしれません。

アベルとハーシュの関係性に見る“信頼と贖罪”

このエピソードで、アベルはハーシュに初めて明確な謝罪を口にします。

「君にはすまないと思ってる。」

それは、ハーシュがスキナーに対して抱く想いを知りながら、それを作戦の一部に利用したという後ろめたさと後悔の現れ。

しかし、ハーシュはこう返します。

「気にする必要ないわ。私自身が決めたことよ。」

このやり取りは、二人の間にある信頼関係の強さを物語っています。
利用されたのではなく、自らの意志で選んだというハーシュの言葉は、アベルにとって救いとなり、新たな関係性の構築へとつながる一歩です。

🧩追記：ハーシュが“ラザロ”の指揮官に選ばれた理由とは？

そして第7話の終盤では、ハーシュがかつてスキナー博士と同じハーグ研究所に所属していた研究員だったことが明かされます。

この事実により、アベルがハーシュをラザロの指揮官に任命した理由がより明確になります。
彼女はスキナーの思考・行動原理を深く理解できる数少ない人物であり、かつ個人的な感情を排しつつ、目的のために動ける強さを持っています。

アベルは、単なる戦力や指揮能力ではなく、「スキナーを止められる唯一の存在」としてハーシュを選んだのかもしれません。
それは、信頼であり、ある意味で“贖罪のパートナー”としての選抜でもあります。

🌸らけるまの感想

第7話、もう情緒がジェットコースターすぎて無理…😭💔
アベルが「すまない」って言った瞬間、あの冷静な彼の中にも人間味があるんだって感じて、思わずうるっとしちゃいました🥺

そして何より、ハーシュが元・ハーグ研究所の研究員だったって…！
なるほど、それで彼女がラザロの指揮官なんだって納得✨
スキナーのことを一番理解してるのは彼女なんだよね…😢
きっと彼を止められるのも彼女しかいないんだと思う。

「科学者が純粋でいて何がいけないんだい？」ってスキナーのセリフ、胸に刺さりました…。
もう…第7話は全編通して尊い…尊すぎた…🙏💥

次回も覚悟して観なきゃ💦

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まとめ｜スキナーは本当に“堕ちた”のか？

スキナーは本当に“悪”へと堕ちたのでしょうか？
それとも、理想を追い続けた結果、世界が彼を“悪”と見なしただけなのでしょうか？

アベルは今も彼の中にかつての仲間を見ようとし、ハーシュは「何も変わっていない」と断言する。

この対話を通じて浮かび上がるのは、「正しさとは何か」「信じるとは何か」という、私たち視聴者にとっても重い問いです。

スキナーの真意はまだ完全には明かされていません。
しかし確かなのは、彼を“理解したい”と願う者たちがいるということ。

それは、どれだけ世界を敵に回しても、スキナーという存在がまだ“人間”であることの証かもしれません。

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